こんにちは!「Carcadia(カーカディア)」編集長のあおいです。
スバルの本格派SUV「フォレスター」は、優れた悪路走破性を誇るシンメトリカルAWDと、使い勝手の良いスクエアな荷室を兼ね備えた、アウトドアファンに絶大な人気を誇る一台です。キャンプ場へのアクセスはもちろん、林道や雪道もものともしないその足腰は、車中泊旅の相棒としてこれ以上ない安心感を与えてくれます。
しかし、いざフォレスターで車中泊をしようとシートを倒したとき、多くのオーナーが直面する大きな「壁」があります。それが、後部座席を前方に倒した際に生じる 「荷室の微妙な傾斜(坂道)」 と 「段差」 です。
ネット上のオーナーコミュニティやSNSを分析すると、以下のようなリアルな不満や失敗談が数多く寄せられています。
- 「シートを倒すとフラットに見えるけれど、実際に寝てみると頭が下がってしまい、夜中に何度も目が覚めた」
- 「朝起きると、体が足元の方向へずり落ちていて、腰や首がバキバキに痛む」
- 「マットを敷くだけでは傾斜が解消されず、寝返りを打つたびに体が安定しない」
せっかくの楽しい車中泊も、睡眠不足や体の痛みで台無しになってしまっては元も子もありません。そこで今回は、フォレスターの車中泊における「傾斜・段差」の根本的な原因を数値データから解き明かし、ホームセンターで手に入る素材を使った、初心者でも簡単かつ低予算で作れる「フラットベッド天板(簡易ベッドキット)」のDIY手順をプロの視点で徹底解説します!
1. フォレスターの荷室サイズと「傾斜・段差」の物理的原因
まずは、なぜフォレスターの荷室で「寝苦しさ」が発生するのか、具体的なサイズスペックを交えて論理的に解説します。現行型(SK系)および先代(SJ系)のフォレスターは、一見すると荷室が広く、シートが綺麗に倒れるように設計されていますが、実は「完全な水平(フルフラット)」ではありません。
フォレスター(SK系)の荷室・室内寸法データ
| 測定箇所 | 寸法(目安) | 影響するポイント |
|---|---|---|
| 室内長 | 約1,840mm | 身長180cmクラスの大人が足を伸ばして寝られる十分な長さ。 |
| 室内幅(最大) | 約1,300mm | 大人2人が並んで寝ることが可能な広さ。 |
| 左右タイヤハウス間幅 | 約1,100mm | ベッドキットを作る際の「横幅」の限界値。 |
| 室内高(天井高) | 約830mm〜890mm | 天井が高いため、低床のベッドを作れば車内での着替えや寝返りも快適。 |
| 後部座席を倒した時の傾斜角 | 約5度〜8度 | これが最大の原因!頭側(前方)が高く、足元(後方)が低くなる。 |
なぜ「傾斜」と「段差」が発生するのか?
フォレスターの後部座席は、座面を沈み込ませて背もたれを倒す「ダイブダウン機構」を採用しています。これにより荷室とシート背面がほぼ連続した空間になりますが、シートのクッション性に厚みがあるため、 背もたれが水平(0度)まで倒れきらず、フロント側に向かって約5〜8度の緩やかな上り坂 になります。
さらに、トランクフロア(荷室の床面)と、倒したシート背面の境目には、約3cm〜5cmの 物理的な段差 が生じます。
人間は、わずか2度〜3度の傾斜であっても、横になったときに三半規管や筋肉が傾きを察知し、無意識に緊張状態が続きます。フォレスターの5度以上の傾斜は、頭をどちらに向けて寝ても不快感を伴うレベルなのです。
- 頭をフロント側(高く)にした場合: 緩やかな坂を滑り落ちるような感覚になり、寝返りを打つたびに足元へ体がずれていきます。
- 頭をリヤゲート側(低く)にした場合: 頭に血が上りやすく、頭痛やむくみ、不眠の原因になります。
この問題を根本から解決するためには、 「下がっているリヤゲート側の床面を約5〜8cm底上げし、全体の傾斜を相殺して完全な水平(0度)を作り出すこと」 が必要不可欠です。
2. 車中泊をさらに極上にする!編集部おすすめの対策アイテム
DIY作業に入る前に、車中泊の夜をさらに快適にし、フラットなベッドスペースを最大限に活かすための必須アイテムを紹介します。これらがあるだけで、フォレスターの車内がプライベートなモバイル書斎、あるいは極上の移動式ホテルへと進化します。
① 温かい食事と淹れたてのコーヒーを相棒に
車中泊の朝、フラットになった車内で目覚めた後に飲む一杯のコーヒーは格別です。車内や車外での簡単な調理に欠かせないのが、信頼性の高いシングルバーナーです。
- 商品名: ソト(SOTO) レギュレーターストーブ 日本製 シングルバーナー ST-310
- ASIN: B077Q99XBS

- アソシエイトURL: ソト(SOTO) レギュレーターストーブ 日本製 シングルバーナー ST-310
この「SOTO ST-310」は、マイクロレギュレーターを搭載しているため、外気温が低下しやすい冬場の車中泊やキャンプでも、火力が落ちずに安定した高火力をキープしてくれます。コンパクトに折りたためるため、フォレスターの床下収納(サブトランク)にもすっきりと収まります。
② 冷たいドリンクや食材をいつでも新鮮にキープ
夏の車中泊はもちろん、連泊の旅で威力を発揮するのが本格的な車載冷蔵庫です。クーラーボックスのように氷が溶けて食材が水浸しになる心配がありません。
- 商品名: F40C4TMP 車載冷蔵庫 18L 大容量 ポータブル冷蔵庫 【 ソーラーパネル給電 可能】 -20℃~20℃調整 4WAY電源対応 家庭用車載用 AC100V/DC12V24V 静音 大型ハンドル付 車中泊 キャンプ アウトドア 家庭停電適用 日本語説明書 【PSE規格品】 PR1801
- ASIN: B09NM5T88C

「F40C4TMP 18L」は、フォレスターの荷室に縦置きでジャストフィットするサイズ感です。-20℃まで冷えるため、アイスクリームの保管や、現地で購入した新鮮な生鮮食品、ご当地ビールをキンキンに冷やしておくことができます。静音設計(約40dB)のため、ベッドキットのすぐ横に設置しても、夜間の駆動音が全く気になりません。
3. 低予算DIY対策!傾斜をなくす簡単自作ベッド天板の作り方
それでは、本題である「傾斜をなくす簡単自作ベッド天板」のDIY手順を解説します。
今回のDIYの目的は、**「フォレスターのトランクフロア(足元側)を底上げし、倒したシート背面(頭側)と高さを揃えて、完全なフラット空間を作ること」**です。
大掛かりな溶接や複雑な木工は一切不要。ホームセンターで木材をカットしてもらい、100均や身近な素材を組み合わせるだけで、半日もあれば女性やDIY初心者でも簡単に頑丈なベッドを作ることができます。
準備する材料と工具(予算目安:約5,000円〜8,000円)
| 材料・工具 | 数量・サイズ | 主な用途・購入先 |
|---|---|---|
| コンパネ(合板) | 12mm厚 / 900mm × 1,800mm(1枚) | ベッドの天板用(ホームセンターでカット依頼) |
| 2x4(ツーバイフォー)木材 | 長さ約1,800mm(2本) | 傾斜を解消するための「土台(脚)」として使用 |
| プラダン(プラスチック段ボール) | 900mm × 900mm(1枚) | 型取り、および傷防止用シートとして |
| お好みのクッション材 | 厚み10mm〜20mm程度(適量) | チップウレタンや、100均のジョイントマットなど |
| 合皮シート(PUレザー) | 約1,200mm × 1,500mm(1枚) | 天板の表面仕上げ用(防水・防汚対策) |
| タッカー(大型ホチキス) | 1個 | 合皮シートを天板の裏側に固定する工具(100均でも入手可) |
| その他の工具等 | メジャー、両面テープ、ハサミ | 採寸やクッションの仮留め用 |
ステップ1:荷室の型取りと木材のカット(最重要プロセス)
まずは、フォレスターの荷室にぴったり収まる天板のサイズを決定します。
- プラダンで型取りをする フォレスターの荷室は、左右にタイヤハウス(ホイールハウス)の出っ張りがあるため、単純な長方形の板では干渉してしまいます。そこで、まずは安価なプラダンを荷室に敷き詰め、タイヤハウスの形状に沿ってカッターでカットし、「型紙(テンプレート)」を作ります。
- 天板(コンパネ)のサイズ設計
天板は1枚で作ると車内への搬入や収納が大変なため、 「左右2分割(幅約540mm × 2枚)」 にするのがスマートです。
- 天板1枚あたりのサイズ目安(左右分割時): 横幅 約530mm × 長さ 約1,200mm ※ご自身のシートポジションに合わせて、フロントシートに干渉しない長さに調整してください。
- ホームセンターでのカットサービスを利用する 型取りした寸法をメモし、ホームセンターの木材カットコーナーでコンパネと2x4材をカットしてもらいましょう。自分でノコギリを引く必要がなく、ミリ単位で正確にまっすぐカットしてくれます。
ステップ2:傾斜を相殺する「土台(木製スロープ脚)」の製作
ここが最大のポイントです。トランクフロア側(後方)を高く、シート背面側(前方)を低くするための土台を作ります。
- 高低差の測定 後部座席を倒した状態で、トランクの「リヤゲート付近」と「シートの境目」の高低差をメジャーで測ります。フォレスター(SK系)の場合、約6cm〜8cmのリヤ側の底上げが必要です。
- 2x4材をスロープ状(斜め)にカットする
長さ約1,000mmにカットした2x4材を横から見て、片方の端が「厚み7cm」、もう片方の端が「厚み0cm(テーパー状)」になるように斜めにカットします。
- ※斜めカットが難しい場合は、高さの異なる木製ブロック(木っ端)を3箇所ほど(高さ7cm、4cm、1cmなど)置いて、天板を下から支える簡易的な方法でも十分に強度が保てます。
- 傷防止対策 木材の底面が車のフロアを傷つけないよう、100均のフェルトシートや、カットしたプラダンを両面テープで木材の底に貼り付けておきます。
ステップ3:天板のクッション化とレザー仕上げ(高級感アップ)
コンパネ(合板)のままだと、寝たときに体が痛く、見た目も「ただの板」になってしまいます。ひと手間加えて、メーカー純正品のような高級感ある仕上がりにします。
- クッション材の貼り付け カットしたコンパネ天板の上に、同じサイズにカットした100均のジョイントマットやウレタンチップシートをのせ、両面テープで仮留めします。
- 合皮(PUレザー)でラッピング 天板よりも一回り大きく(周囲+5cm程度)カットした合皮シートを、裏側から引っ張りながら被せます。
- タッカーで固定する 天板を裏返し、合皮シートの端を引っ張りながら、タッカー(大型ホチキス)を使ってバチンバチンと固定していきます。角の部分は、シワが寄らないようにきれいに折りたたんで留めるのが美しく仕上げるコツです。
ステップ4:車内への設置と最終微調整
完成した「土台」と「天板」をフォレスターの車内に設置します。
- 倒したシート背面に沿って、製作した土台の木材(傾斜解消用スロープ)を左右に並べます。
- その上に、合皮を貼って仕上げた2枚の天板を静かにのせます。
- 天板の上に乗り、実際に横になってみて「水平(フラット)」が出ているかを確認します。
- 微調整のコツ: もし少し傾斜が残っている場合は、土台とフロアの間に100均のシリコン製耐震マットや、折りたたんだ段ボールなどを挟んで微調整してください。
天板を設置すれば、左右のタイヤハウス間のデッドスペースも綺麗に埋まり、大人2人が完全に大の字になって眠れる、真っ平らでホテルのようなフラットベッドルームが完成します!
4. まとめ:自作ベッドキットで、フォレスターと行く未開の旅路へ
フォレスターでの車中泊を妨げる「傾斜」と「段差」は、DIYという少しの工夫と情熱で、驚くほど簡単に解決することができます。
市販されている高価な専用ベッドキットは数万円から十数万円することもありますが、今回ご紹介した「ホームセンター木材+100均・DIY仕上げ」であれば、1万円以下の低予算で、愛車にミリ単位でジャストフィットする極上のフラット空間を手に入れることができます。自分で作ったベッドキットだからこそ、愛着もひとしおです。
フラットになったフォレスターの車内に、お気に入りの寝袋と、淹れたてのコーヒーを作るための「SOTO ST-310」、そして冷たい飲み物がいつでも取り出せる「F40C4TMP」を積み込めば、そこはもうあなただけの移動式秘密基地。
次の週末は、どこへ出かけますか? 満天の星空の下、波の音を聴きながら、フォレスターと共に極上の車中泊ライフを満喫してください!
あなたの車中泊旅が、最高のものになることを応援しています。