こんにちは!「Carcadia(カーカディア)」編集長のクルマ旅専門ライターです。車中泊やカーキャンプを愛する皆さんの「愛車のポテンシャルを120%引き出す」ための実践的なアイデアをお届けしています。
今回フィーチャーするのは、軽キャンパーや車中泊マニアの間で「絶対王者」として君臨し続ける スズキ・エブリイ(バン:DA17V / ワゴン:DA17W) です。
商用車ベースならではの圧倒的な積載力とフラットな室内空間が魅力のエブリイですが、実際に車中泊を始めると、多くのオーナーが 「ある切実な問題」 に直面します。それは 「就寝時の荷物の置き場所がない」 という問題です。
ネット上のクチコミやSNS、オーナーコミュニティをAI分析したところ、以下のようなリアルな不満や失敗談が多数寄せられていました。
- 「いざ寝ようとシートをフルフラットにすると、昼間積んでいたクーラーボックスや着替え、ポータブル電源に床面を占領されて、自分が寝るスペースが狭すぎる……」
- 「夜中にトイレに起きるとき、暗闇の中で荷物を踏みつけてしまい、お気に入りのギアを破損してしまった」
- 「天井近くがスカスカなのに、床面だけがごちゃごちゃして『秘密基地』というより『汚部屋』状態。せっかくの車中泊なのにワクワク感が半減してしまう」
このようなお悩みを一発で解決し、限られた軽バンのスペースを最大限に広げる魔法の方法。それが 「天井デッドスペースの収納ラック化」 です。
今回は、工具を一切使わず、ダイソーやセリアなどの 100円ショップ(100均)で手に入るパーツだけで、総額約1,000円で作成できる高強度な天井収納ラックのDIY方法 を徹底解説します。
1. なぜ床が散らかる?エブリイのサイズスペックから紐解く物理的原因
DIYを始める前に、なぜエブリイの車内(特に就寝時)で荷物が溢れてしまうのか、その原因をエブリイの「具体的な寸法データ」から論理的に分析してみましょう。
エブリイ(DA17V・ハイルーフ仕様)の主要室内サイズ
| 測定箇所 | 寸法(mm) | 車中泊における影響・意味合い |
|---|---|---|
| 室内長 | 1,910 | 大人が足を伸ばして余裕で寝られる長さだが、荷物を置くと縦方向が圧迫される。 |
| 室内幅 | 1,385 | セミダブルベッド相当。大人2人が横に並ぶと、左右のゆとりはほぼ皆無に。 |
| 室内高(ハイルーフ) | 1,240 | 軽自動車トップクラスの高さ。座っても頭上に約30〜40cmの広大な余白がある。 |
| 荷室床面長(2名乗車時) | 1,820 | 就寝スペースとしては完璧だが、寝具(マット・シュラフ)で床面が100%埋まる。 |
| タイヤハウス間幅 | 約1,110 | 床面の最も狭い部分。大型の収納ボックスを置くと通路や足元を大きく阻害する。 |
物理的な原因:床面の「平面占有」と天井の「空間放置」
エブリイの室内幅は「1,385mm」です。車中泊用のインフレーターマットを2枚敷くと、床面のほぼ100%が「ベッドスペース(就寝エリア)」として占有されてしまいます。
つまり、 「床面に荷物を置いたまま寝ることは、実質的に不可能」 なのです。
しかし、注目すべきは 「1,240mm」という圧倒的な室内高(ハイルーフ車) です。 日本人の平均的な座高(座った時の高さ)は約85cm〜90cm。マットレスの厚み(約5〜10cm)を考慮しても、頭上には 約30cm近くの手つかずのデッドスペース(空間) が残されています。
この「天井近くの空間」を収納として使わない手はありません。ここに、着替えやランタン、シュラフケース、洗面用具などの「軽くてかさばる荷物」を逃がすことで、床面を100%就寝スペースとして解放することができるのです。
2. 天井収納をより強固にするための「ベース」となる市販パーツ
「100均DIYに挑戦したいけれど、強度や見栄えが少し心配」という方や、さらに耐荷重を高めたい方のために、DIYの基礎(土台)として組み合わせると劇的に効果を発揮する、市販の優秀なアップグレードアイテムを3つ紹介します。
① カーメイト サイドバー エブリイ用(NS122)
エブリイのユーティリティナット(標準装備のネジ穴)を利用して取り付ける、左右の頑丈なスチールパイプバーです。これを取り付けるだけで、100均DIYの安定感が10倍に跳ね上がります。
- スペック: 全長約1.2m、耐荷重 左右各10kg
- 強み: 車体に穴あけ加工不要。ボルトオンで完璧に固定され、ガタつきが一切ない。
- 弱み: 価格が1万円前後と、やや初期投資が必要。
② クレトム(Cretom)インテリア・バー(KA-30)
アシストグリップ(手すり)に引っ掛けるだけで、車内に物干し竿のようなバーを渡せる超定番便利グッズ。
- スペック: 伸縮幅 85cm〜150cm、耐荷重 約5kg
- 強み: 1本あたり1,000円台とリーズナブル。アシストグリップがある車なら置くだけで設置完了。
- 弱み: 固定力が乗せるだけなので、悪路走行時にコトコトと音が鳴ったり、外れたりすることがある。
③ 槌屋ヤック マルチグリップバー(RV-51)
インテリア・バーと同様に、アシストグリップに固定するバー。ロック機構がついているため、走行中の脱落を防いでくれます。
- スペック: 伸縮幅 85cm〜140cm、耐荷重 約5kg
- 強み: ロックリング付きで、ズレや落下に強い。デザインがスタイリッシュ。
- 弱み: バー自体に太さがあるため、取り付けるワイヤーネットの固定に少し工夫が必要。
3. 総額1,000円!100均パーツだけで作る「天井収納ネットラック」完全ガイド
それでは、本題である 「100均パーツだけを使った、工具不要・穴あけ不要の格安天井収納ラック」 のDIY手順を解説します。今回は、エブリイのハイルーフ車に標準装備されている「ユーティリティナット」や「アシストグリップ」を活かした方法です。
必要な材料(すべて100円ショップで揃います)
今回は大手100円ショップ(ダイソー、セリア等)で以下のアイテムを揃えます。
- 太口・伸縮突っ張り棒(スチール製 / 長さ85cm〜120cm以上に対応するもの)× 2本
- 価格: 1本150円〜200円商品(ダイソー)
- 選定ポイント: 100円の細いアルミ製ではなく、少し太めのスチール製(耐荷重が太いもの)を選んでください。
- ワイヤーネット(ラティス / 約62cm × 29cm、またはそれに近いサイズ)× 2枚
- 価格: 1枚100円〜150円商品
- 選定ポイント: 網目が細かく、エブリイの車幅に干渉しないサイズを選びます。
- 結束バンド(耐候性・黒 / 長さ15cm〜20cm程度)× 1袋
- 価格: 100円
- 選定ポイント: 屋外用や耐候性のあるものを選ぶと、車内の夏場の高温でも劣化しにくくなります。
- 突っ張り棒用・滑り止めマット(またはシリコン樹脂シート)× 1個
- 価格: 100円
- 選定ポイント: アシストグリップや車壁との接触面に挟み、横滑りを徹底防止します。
★合計予算:約800円〜1,100円(税抜)
製作ステップ:たったの4工程・作業時間15分!
【ステップ1】車内取付位置の確認と滑り止め処理
エブリイの後部座席、または荷室にある「アシストグリップ(手すり)」の位置を確認します。 突っ張り棒を渡す際、アシストグリップの付け根部分(あるいは内装のプラスチックのくぼみ)に、小さくカットした「滑り止めマット」をあらかじめ巻き付けておきます。これにより、走行時の振動によるズレと「カタカタ音」を完全にシャットアウトします。
【ステップ2】突っ張り棒の設置とテンション微調整
準備した2本の突っ張り棒を、エブリイの左右のアシストグリップをまたぐようにして渡します。 1本は後部座席のアシストグリップ、もう1本はさらに後ろ(荷室側)のユーティリティナット付近、またはクォーターガラス上部に突っ張らせます。
- プロのコツ: 突っ張り棒は「ただ突っ張る」だけでなく、左右の窓枠の上部トリム(内装の隙間)にギリギリ乗せるように突っ張ると、荷重が下方向に逃げず、耐荷重が劇的にアップします。
【ステップ3】ワイヤーネットの「連結」と「仮固定」
平らな場所に2枚のワイヤーネットを並べ、重なる部分(2〜3マス分)を結束バンドでガッチリと連結し、エブリイの車幅に合う「1枚の大きなネット」を作ります。 その後、この連結したネットを車内の2本の突っ張り棒の下(または上)に配置し、結束バンドで仮固定します。
【ステップ4】結束バンドの「本締め」と仕上げ
ネットの位置が中央に来ていることを確認したら、各部(計8点以上)を結束バンドでしっかりと「本締め」します。余った結束バンドの端は、ハサミやニッパーで根元から綺麗にカットしてください。
- 安全のための最終チェック: 手でネットを軽く下に引っ張り、突っ張り棒が外れないか、大きくたわまないかを確認します。これで、わずか1,000円で作る「天井収納ラック」の完成です!
4. このDIYラックを「さらに使いこなす」ための運用テクニック
完成した100均天井ラックですが、安全に、そしてオシャレに使いこなすためのいくつかの実用的なテクニックを紹介します。
① 「軽いけれど、かさばるもの」を専用にする
この100均ラックの最大耐荷重は、およそ 2kg〜3kg程度 です。重いもの(鉄製のペグ、ダッチオーブン、大容量ポータブル電源など)を乗せると、急ブレーキ時に落下して大怪我に繋がります。 以下のような「軽量でかさばるアイテム」の専用特等席にしましょう。
- 寝袋(シュラフ)
- インフレーターピロー(枕)
- 防寒着、着替え
- アルミ製遮光サンシェード
- ティッシュペーパー、キッチンペーパー
② 落下防止に「100均の自転車用前カゴネット」を被せる
悪路や段差を乗り越えた際、天井ラックに乗せた荷物が弾んで滑り落ちてしまうことがあります。 これを防ぐために、ダイソー等で売られている「自転車用カゴネット(ゴムネット)」や「荷台用コード」を上から被せておくと、荷物が完全にホールドされ、どれだけ揺れても落ちてこなくなります。
③ S字フックやカラビナを吊るす
ワイヤーネットの格子部分には、カラビナやS字フックを無限に引っ掛けることができます。 ここにLEDランタンを吊るせば、車内全体をやさしく照らす「天井照明システム」に早変わり。さらに、コップや鍵などの小物を吊るしておくことで、「あれ、どこに置いたっけ?」という車中泊あるあるの紛失劇を防ぐことができます。
5. まとめ:天井収納がもたらす、至高の「動く秘密基地」ライフ
今回ご紹介した100均天井収納ラックDIYは、コストパフォーマンスという言葉では片付けられないほどの 「劇的な変化」 をエブリイの車内にもたらしてくれます。
これまで床を埋め尽くしていた荷物がすっきりと頭上に収まった瞬間、エブリイの車内には 「大人が2人、余裕で寝返りを打てる真っ平らな大空間」 が出現します。
夜、LEDランタンの温かい光に包まれながら、綺麗に片付いた車内で淹れたてのコーヒーを飲む——。それこそが、私たちが車中泊に求めていた「大人の秘密基地」の姿ではないでしょうか。
身近な100円ショップのアイテムだけで、驚くほど簡単に、そして安全に快適空間は作れます。 今度のお休みは、ぜひ1,000円を握りしめて近くの100均へ行き、あなたのエブリイを「世界に一台の究極の秘密基地」へとアップデートさせてみませんか?
あなたの車中泊ライフが、より快適でワクワクするものになることを、Carcadiaはいつでも応援しています!